税理士・行政書士の平均年齢はなぜ高い?資格別データと事業承継の実態

税理士・行政書士の平均年齢はなぜ高い?資格別データと事業承継の実態 資格

この記事の要点

  • 税理士は60代以上が53.6%、行政書士は平均58.6歳と高齢化が進んでいます
  • 税理士登録者の26.2%は国税局・税務署OBで、60歳前後に無試験登録する制度があります
  • 税理士の公的統計年収856万円は公認会計士と合算されており、実態の中央値は600〜700万円です
  • 独立開業には自由度がある一方、初期の資金繰りや営業面の課題も指摘されています
  • 事業承継やM&Aでは顧問料の0.5〜1.5倍程度が譲渡価格の目安とされることがあります

税理士の60代以上は53.6%、行政書士の平均年齢は58.6歳――各士業団体や厚生労働省の統計を見ると、士業と呼ばれる資格の多くで年齢構成が高齢層に大きく偏っていることが分かります。20〜30代の登録者は数%にとどまる資格も少なくありません。

この偏りの背景には、難関試験を突破するルートとは別に、公務員としての実務経験によって試験が免除される無試験登録制度の存在があります。あわせて、公的統計上の年収と、実際に事務所で働く人の年収の間にも差があることが分かっています。

ここでは、日本税理士会連合会や日本土地家屋調査士会連合会、厚生労働省などが公表しているデータをもとに、士業6分野の年齢構成、年収の実態、独立開業のメリットと注意点、そして近年広がりつつある事業承継という選択肢について整理します。

士業6分野、年齢構成の実態

日本税理士会連合会が実施した「第7回税理士実態調査(令和6年1月公表)」(出典:日本税理士会連合会)によれば、税理士登録者のうち60代以上は53.6%を占め、70代が22.0%、80代以上も5.9%含まれています。一方で20代は0.4%、30代も6.2%にとどまり、20〜30代の合計はわずか6.6%です。

行政書士も平均年齢58.6歳で、60歳以上が推計で約50.0%を占めるとされています。日本土地家屋調査士会連合会が発行する「土地家屋調査士白書2024」(出典:日本土地家屋調査士会連合会)では、活躍している調査士の約95%が40代以上で、20〜30代の合計割合はわずか5.2%とされています。

社会保険労務士は平均56.27歳で20代の登録者は0.4%、司法書士は平均54.0歳で40代が最多層(31.5%)ながら地域による偏りが大きいとされています。中小企業診断士は50代が最多層(27.21%)です。

士業 平均年齢 20〜30代の合計割合 60代以上の割合
税理士 約60歳 6.6% 53.6%
行政書士 58.6歳 11.4%(18〜40歳合計) 約50.0%
土地家屋調査士 50代後半 5.2% 約26.0%(50代以上は73%以上)
社会保険労務士 56.27歳 6.9% 約36.0%(推計)
司法書士 54.0歳 推計約25.0% 推計約20.0〜25.0%
中小企業診断士 40代後半〜50代 15.51% 30.8%
人口動態の時限爆弾:士業別・高齢化ヒートマップ
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なぜここまで年齢が偏るのか、無試験登録という制度

税理士の年齢分布が偏る背景には、国税局や税務署に一定期間勤務した公務員(国税従事者として23年以上、または一定の研修修了で10〜15年以上)が、退職後に無試験で税理士登録できる制度があります。この「税務署OB」は登録者全体の26.2%、約4人に1人を占め、定年退職を迎える60歳前後で一気に登録するため、年齢分布が高齢側に大きく偏っています。ちなみに税理士試験そのものの合格率は、令和6年度(第74回)の5科目一括合格ベースで1.66%と、狭き門です。

行政書士にも同様の制度があり、国や地方自治体で一般行政事務に17年以上(高卒の場合は20年以上)従事した公務員は、試験免除で登録・開業できます。定年後のセカンドキャリアとしてこの制度を利用する人が一定数おり、業界の平均年齢を押し上げる一因になっているとみられます。

なぜこれほど高齢なのか?「試験免除」という特権パイプライン
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公的統計の年収は実態とどれくらい違うのか

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(出典:厚生労働省)によれば、税理士の平均年収は約856万円とされています。ただしこの数値は公認会計士のデータと合算されたカテゴリーであり、実際には中小規模の会計事務所に勤める税理士の年収の中央値は600万〜700万円前後、経験5年未満の若手では300万〜450万円程度から始まるケースもあります。独立開業した場合、経済センサス活動調査(令和3年)に基づく試算(出典:経済センサス活動調査)では、売上高(3,328万円)から費用(2,320万円)を差し引いた事業所得の目安は約1,008万円とされていますが、これは長年地盤を築いたシニア層を含む平均であり、開業初期からこの水準になるとは限りません。

社会保険労務士も公的統計上は約947万円ですが、これは金融機関の専門職などを含むカテゴリーであり、勤務社労士の実態に近い年収は460万〜472万円とされています。行政書士も公的統計591万円に対し、求人ベースの平均は400万〜500万円です。司法書士は弁護士と同一カテゴリで集計されているため統計上970万〜1,000万円超と高く出ますが、求人平均は約499万円とされています。

士業 合格率 公的統計上の年収 実態に近い年収
税理士 1.66%(5科目一括) 約856万円 中央値600〜700万円(独立純益目安約1,008万円)
社会保険労務士 5.5%(第57回) 約947万円 460〜472万円
行政書士 14.54%(R7年度) 約591万円 400〜500万円
司法書士 約5.2%(R5年度) 970万〜1,000万円超 約499万円
土地家屋調査士 約8.0〜10.0% 約500万円 約500万円
中小企業診断士 2次18〜25% 約947万円 企業内は本業依存、独立は個別格差が大きい
収入の錯覚:公的統計の罠と「泥臭い現実」
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独立開業のメリットと注意点

独立開業には、年収の上限がなくなる、定年がない、業務内容や働き方を自分で決められるといった魅力があります。年収1,500万円や3,000万円、法人化による更なる拡大を目指すことも制度上は可能とされています。

一方で、開業直後は事務所賃料や専門ソフトのライセンス料(税務ソフトやCADソフトで年間数十万〜数百万円)といった固定費が発生し、顧問先がない状態では資金繰りが厳しくなる可能性があります。実務能力と営業力は別のスキルであり、紹介ルートや集客の仕組みがなければ、問い合わせが来ない時期が続くこともあります。個人事務所の場合、担当者本人の健康状態が業務継続に直結する点にも留意が必要です。

開業キャリアの「光と影」:極端な二面性
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現場の実務はどれくらい泥臭いのか

土地家屋調査士の実務では、法務局で古い公図や地積測量図を調べたうえで、山林や藪の中に埋もれた境界標を探す測量作業を行います。隣接地の所有者と行う「境界立ち会い(筆界確認)」は、当事者間の意見の相違を調整する必要があり、実務の中でも神経を使う場面とされています。合意に至らない場合は、法務局の「筆界特定制度」の申請代行など、長期化する手続きに移ることもあります。

中小企業診断士には独占業務がなく、登録者の約7割は企業内診断士として一般企業に勤務しています。独立して活動する診断士の中には、WorkshipやCoconalaといったクラウドソーシングサービスを通じてWebマーケティング支援や補助金申請書類の作成といった案件を受注し、実績を積みながら顧問契約につなげるケースがあるとされています。

泥臭い実務のリアル:机上の空論が通じない現場
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事業承継という選択肢、何が起きているのか

高齢化が進む一方で、事業承継やM&Aによって既存の事務所を引き継ぐという動きも広がっています。税理士事務所の第三者承継では、譲渡価格(のれん代)の目安として、安定的な顧問料収入の1年分(0.5〜1.5倍)、または年間売上高の0.8〜0.9倍という相場が用いられることがあります。顧問先1件あたりの平均単価が50万円を下回る場合は評価が0.5倍に近づき、70万円を超える場合は1.5倍に近づくとされるほか、資格保有者やベテラン職員が在籍を続ける場合は1人あたり約200万円(最大1,000万円程度)が交渉材料として上乗せされることもあります。承継後は、前所長が1年目は代表として並走し、2年目は非常勤(週2〜3日程度)、3年目に顧問・相談役へ移行するといった段階的な引き継ぎ方法が用いられる例があります。

行政書士の場合、個人事業主として許認可や契約を結んでいると、それらは所長個人に紐づくため、引退時に契約の巻き直しが必要になることがあります。これを避けるため、2名以上の行政書士が社員となって「行政書士法人」を設立し、法人格に契約や許認可を紐づけておく方法も選択肢の一つとされています。土地家屋調査士では、補助者として先輩調査士のもとで実務経験を積み、測量図面やCADデータ、測量機器とともに顧客との関係を引き継ぐという事例も紹介されています。

財務ハック:税理士事務所M&Aのバリュエーション(企業価値評価)
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承継を検討するうえでの注意点

事業承継には、仲介手数料や融資の返済負担、顧客との相性など、個別の状況によって結果が大きく異なる要素が数多く存在します。承継後に想定していた顧問先が離脱する可能性や、地域や業種によって相場が異なる可能性も否定できません。独立開業や事業承継を検討する際は、公的統計や本記事で紹介した相場感を参考にしつつ、税理士会や行政書士会、日本政策金融公庫といった関係機関、あるいはM&A仲介の専門家に個別に相談し、自身の資金計画やキャリアプランに照らして判断することが望ましいといえます。

まとめ

税理士は60代以上53.6%、行政書士は平均58.6歳、土地家屋調査士は50代以上73%以上など、士業各分野の年齢構成には数値として明確な偏りが表れています。この背景には、無試験登録制度や、資格取得までにかかる年数といった構造的な要因があります。公的統計の年収は他職種と合算されている場合が多く、実態とは差があることにも注意が必要です。独立開業には自由度の高さと資金繰りのリスクの両面があり、近年は事業承継やM&Aによって既存の顧客基盤を引き継ぐという選択肢も広がっています。どの道を選ぶ場合も、個別の事情を踏まえた検討が欠かせません。

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よくある質問

税理士の平均年齢はなぜこんなに高いのですか?

国税局・税務署に一定期間勤務したOBが定年退職後に無試験で登録できる制度があり、この層が登録者全体の26.2%を占めるためです。60歳前後で一気に登録者が増えることが年齢分布を押し上げています。

士業の年収は公的統計の数字通りと考えてよいですか?

公的統計の年収には、より高年収の職種(公認会計士や金融専門職など)が同一カテゴリーで合算されている場合があり、実態の中央値や求人平均はそれより低いケースが多く見られます。

独立開業と事業承継、どちらが有利ですか?

一概にはいえません。独立開業は自由度が高い一方で初期の資金繰りに注意が必要で、事業承継は顧客基盤を引き継げる可能性がありますが、譲渡価格や引き継ぎ後の関係維持など個別の条件次第で結果が変わります。

事業承継の相場はどれくらいですか?

税理士事務所では、安定的な顧問料収入の1年分(0.5〜1.5倍)や年間売上高の0.8〜0.9倍が目安とされることがありますが、顧問先の質やスタッフの在籍状況によって評価は変動します。

次にやること

年収や合格率を把握したら、次は自分の場合の受験コストを具体化する段階です。

  1. 試験実施団体の公式サイトで、直近の試験日程と受験資格を確認する
  2. 科目免除の対象になるか(実務経験・他資格の保有)を調べる
  3. 独学と講座で必要な学習時間がどれだけ変わるか、複数社の資料で比較する

参考にした情報源

うち官公庁・公的機関等の一次資料 2件。数値は各機関の公表時点のものです。

  • 税理士の平均年齢は60歳以上って本当?その理由と合格を目指す限界は – スタディング(studying.jp)
  • 行政書士に多い年齢層は?平均年齢や独立開業の適齢について解説 – 資格広場(shikakuhiroba.net)
  • 土地家屋調査士試験とは? – 東京法経学院(thg.co.jp)
  • 税理士の人数は今何人?登録者の過去推移と今後の見通しを解説 – ミツプロ(tax.mitsukaru-pro.co.jp)
  • 土地家屋調査士の平均年齢は?試験合格者の年齢層や年代別年収も解説! – アガルート(agaroot.jp)
  • 税理士事務所や税理士法人を事業承継する方法と流れを解説!メリットやリスクも知っておこう – 士業事務所M&A支援協会 – 株式会社アックスコンサルティング(accs-c.co.jp)
  • 税理士の平均年齢と高齢化の実態|若手に広がる活躍の場 – freee(adv.freee.co.jp)
  • 行政書士の平均年齢(gyoseishoshi-success.com)
  • 土地家屋調査士とは?仕事内容や年収、なるにはどうすればいいのかなど徹底解説!(legal-job-board.com)
  • 社会保険労務士について(shakaihokenroumushi.jp)
  • 社労士の人数は4万人超!年齢・男女・都道府県別や特定社労士は? – スタディング(studying.jp)
  • 第 57 回社会保険労務士試験の合格者発表(sharosi-siken.or.jp)
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本記事に掲載する年収・待遇等は公表統計に基づく一般的な水準であり、個別の求人条件を保証するものではありません。

本記事は公表資料をもとに作成した一般的な解説です。制度は改正され統計は更新されます。実際の手続き・判断にあたっては所管の官公庁および専門機関の最新情報をご確認ください。詳細は免責事項をご覧ください。

本記事は公的統計等の調査資料を根拠に、AIを利用して作成し、公開前に数値と表現の検査を行っています。作成手順は編集方針とAI生成コンテンツについてに公開しています。最終更新:2026年7月27日

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